2023/10/23

秋  祈り

ついこの間迄、夏 だったのに。 金木犀が香るのも、遅かっのに。 あっという間に すっかり秋。 セーターを着て、日暮れの早さに 家路を急ぎたくなるようになった。 今夜は、お鍋にしようかな とか。 紅葉も近い。秋思と秋の愉しみ。 帰る家がある 温かい食事をする 暖かいベッドで眠る。 普通の事のようで、普通でない。 日々ニュースでは、目を覆いたくなる 光景、惨状、不条理に、怒り 「どうにかならないのですか」と天に 向かい叫びたくなる。  美術館での展覧会に出品していた頃 書いていた、壁紙(へきし)と呼ぶ、2×3メートルくらいの大きな紙。 内側にある熱を出すには必要な紙だった。 もう、そんな大作を書かなくなり眠らせていた壁紙を取り出した、このくらい大きな紙でないと、この感情を受け止めてもらえない。 現在世界各地で起っていることを思うと 書かずにはいられなかった。 誰の役にも、なんの役にもならないけれど、 祈りの思いで、書いた。