ついこの間迄、夏 だったのに。
金木犀が香るのも、遅かっのに。
あっという間に すっかり秋。
セーターを着て、日暮れの早さに
家路を急ぎたくなるようになった。
今夜は、お鍋にしようかな とか。
紅葉も近い。秋思と秋の愉しみ。
帰る家がある
温かい食事をする
暖かいベッドで眠る。
普通の事のようで、普通でない。
日々ニュースでは、目を覆いたくなる
光景、惨状、不条理に、怒り
「どうにかならないのですか」と天に
向かい叫びたくなる。
美術館での展覧会に出品していた頃
書いていた、壁紙(へきし)と呼ぶ、2×3メートルくらいの大きな紙。
内側にある熱を出すには必要な紙だった。
もう、そんな大作を書かなくなり眠らせていた壁紙を取り出した、このくらい大きな紙でないと、この感情を受け止めてもらえない。
現在世界各地で起っていることを思うと
書かずにはいられなかった。
誰の役にも、なんの役にもならないけれど、
祈りの思いで、書いた。